南側の窓は収入と支出が大切です
いつもご覧いただきありがとうございます。地元の材料を使って快適で省エネな家を造っている那須塩原の工務店、斎藤建設です。
家づくりの基礎知識を皆さんにお伝えする「家づくり教室」の8回目。今日は窓、特に南側の窓が大切なので「南側の窓は収入と支出が大切です」というテーマでお話をさせて頂きたいと思います。
家には必ず付いている窓、サッシと呼ばれていて最近は、枠には樹脂や樹脂アルミ複合、ガラスの枚数もペアガラスにトリプルガラス、ガラスの中に入っているのもアルゴンガス入り、クリプトンガス入りなどなど、組み合わせると相当な数の組み合わせになってしまい、迷ってしまいますよね。
この辺りは、私たちが設計の時にきちんと選定していくのですが、お打ち合わせの中でも、お客様から良くご質問を頂くポイントでもあるので、家づくりの基礎知識的にポイントをお話していきたいと思います。
最近では「窓からは熱の出入りする量が大きいので窓が大切」というのを良く聞くようになりました。皆さんも聞いたことがあるのではないかと思います。
その通りなのですが、実は窓も方位によって少し役割が違ってきます。
北と東と西はなるべく熱の出入りをしない様に考えれば良いのですが、冬においては南の窓は日射を取り入れる大切な役割をします。
実は断熱性や気密性だけを向上させても、家の中は暖かくなりません。窓から太陽の熱が入ってきたり、室内の家電品や照明、煮炊き時の熱、そしてエアコンなど暖房によって熱が室内にもたらされることによって、家の中が暖かくなります。人間も体温があるので立派な熱源になっています。
北関東の我らが栃木県は日本でも冬の日射が多いエリアです。それを利用してビニールハウスでのイチゴ栽培が盛んです。
ちょっと話がそれましたが、冬、家を暖かくするのに日射を使わない手はありません。なにせタダなのですから。
窓の熱の出入りは、家計簿やお子さんのお小遣い帳と同じです。支出より収入が多いほうが良いのです。
今、丁度平屋でプランニングを行っているお客様の事例で計算してみました。
最初は、南側の窓が樹脂サッシ、ペアガラス、アルゴンガス入りのパターンです。
熱なのでワットですが3,418Wの黒字です。600Wの電気ストーブで5時間暖房したぐらいですね。
これを、「やっぱり窓はトリプルでしょう!}という事で南側の窓が樹脂サッシ、トリプルガラス、アルゴンガス入りのパターンで計算してみました。
1,991Wの黒字です。
あれ?と思った方もいらっしゃる方もしれませんね。そうなんです。冬にたくさん陽ざしが降り注ぐ条件では、断熱性が高い樹脂サッシのトリプルガラスの仕様は取り入れる事の出来る太陽の熱の量が、樹脂サッシのペアガラスの少なくなってしまうので黒字の幅が小さくなっていまうのです。そのくらい太陽の熱はパワフルなんですね。
樹脂アルミ複合サッシの、ペアガラス、アルゴンガラス入りの仕様でも計算してみました。
3,101Wの黒字です。実は収入は18,413Wで一番多くなります。でも支出も15,312Wと一番多くなるので残念ながら樹脂サッシ、ペアガラス、アルゴンガス入りのパターンには勝てません。
という事で、栃木県黒磯地区においては樹脂サッシ、ペアガラス、アルゴンガス入りが南側の窓としてはチャンピオンという事になるのです。
ちなみにこれらの計算には、気象庁のホームページやNEDOのホームページの黒磯のデータを利用して計算させて頂いています。
気温や日射の量(時間)によって計算結果が変わってきますので、家を建てる地域のデータを用いて計算することが大切です。
冬は日射は大切ですが、逆に夏は不要になるので、日射の遮へいも忘れないでくださいね。
冬も夏も、それぞれの地域の気候に応じた窓の設計をすることで、快適な家づくりを目指してくださいね。
このブログを書いた人
斎藤賢一
家族…………..妻、娘(小学生)、息子(小学生)、猫、金魚、サワガニ、熱帯魚、エビ
楽しいもの…キャンプ道具(ランタン、バーナー・ストーブ、クッカー、グリル)、キャンプ道具で調理すること
………………….自転車(クロスバイク)、子供とディズニーリゾートに行くこと、ヴァイオリン(一応演奏します)
特技……………初めて会った猫に「シャー」と言われない。お子さんと仲良くなれる。
仕事……………斎藤建設の社長・家づくり
小さなエネルギーで豊かな暮らしを~普段の生活を一番の幸せに
私たちは、高気密・高断熱とパッシブデザインを活かして、少ないエネルギーで1年中快適に暮らせる家づくりを行っている栃木県那須塩原市の工務店です。
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