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断熱性能をあらわす数値

いつもご覧いただきありがとうございます。地元の材料を使って快適で省エネな家を造っている那須塩原の工務店、斎藤建設です。

家づくりの基礎知識を皆さんにお伝えする「家づくり教室」の2回目。今日のテーマはちょっと難しいですが「断熱性能をあらわす数値」についてのお話をさせて頂きたいと思います。

皆さんは「熱貫流率」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?
熱貫流率とは、 たとえば、部屋の温度が20°Cで外の温度がl9℃のだとします。その時の室内と外の温度差は1℃になるのですが、その時に、壁を貫いてどれだけ熱が出ていくかを示す数字です。単位はW/ (m2・K)です。 単位の分母にある「m2」は、壁の表面積が1m2当たりということになります。
熱貫流率は熱の「伝わりやすさ」を示しているので、数値が小さければ小さいほど、 断熱性が高いことを意味します。
今は熱貫流率の事をU値と呼んでいます。

ここで、似ている言葉に「熱伝導率」があるので熱買流率はとの違いをお話させて頂きます。
例えば壁は、柱や断熱材、内装材や外壁などの、複数の部材が組み合わさって出来ています。熱貫流率はが部位の厚さや材料の重なりをトータルで考えたた数値であるのに対して、熱伝導率は木材や、断熱材などそれぞれの材料の表面積1m2当たり、厚さが1mあったとした時のの熱の伝わりやすさを表しています。詳しく言うと熱貫流率は、その部位を構成する各材料の厚さを、それぞれの熱伝導率で割つて熱抵抗を算出し、それらを足し合わせて計算しているのです。

もし同じ厚みの断熱材であれば、熱伝導率が小さい断熱材の方が性能が良いという事になり、壁の熱貫流率も小さく性能が良い壁ということになります。
壁の熱貫流率を熱貫流率を小さくするためには、単純に壁を厚くする、木造の家であれば断熱材を厚くするか、熱伝導率の小さい断熱材を使うという事になります。

当然コストが上がりすますので、それをデメリットと捉える人もいるかもしれません。しかし、前回の家づくり教室でも取り上げたように、断熱性が高いと冷暖房のために空間を仕切らずにすみ広々使える、これは大きなメリットになるのです。

これまでは、壁などの部位別の熱貫流率の話をしてきましたが、建物の全体の性能を表す数値があります。
その一つが「Q値」という値です。
熱貫流率が各部位の「表面積1m2当たり」の断熱性を示すのに対し、熱損失係数(Q値)は建物の「床面積1m2当たり」の断熱性ですを表しています。
熱貫流率と同様に、建物の内外の温度差が1度のときに、建物の内側から外側にどれだけ熱が逃げていくかを建物の床面積で割つたものです。
ちょっと詳しく分解しると、壁や天井、床などの各部位ごとにそれぞれ熱貫流率と面積を掛け合わせ、さらにそれらをすべて足し合わせ、外に出ていく熱量の合計を出します。その結果を「床面積」で割って計算します。
ですから、これも数値が小さいほど断熱の性能が高いということになります。

注意しなくてはいけないのが、2013年10月の省エネルギー基準改正で、これまで建物全体の断熱性の指標にしてきた熱損失係数(Q値)が、外皮平均熱貫流率(UA値)に替わった事です。
本質的な違いはありませんが、大きく違うのが、外に出ていく熱量を、床面積ではなくて、壁や天井、床などの各部位ごとの面積を全て合計した「外皮面積」で割ったものがUA値となります。
Q値は床面積1㎡あたりの熱の逃げやすさ
UA値は外皮面積1㎡あたりの熱の逃げやすさを表します。

今回のまとめ
熱買流率 (U値) は部位ごとの断熱性、熱損失係数(Q値)は建物全体の断熱性を示す
熱損失係数(Q値)は改正省エネ基準では外皮平均熱買流率(UA値)に替わった

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