「何から始めたらいい?」から始めよう・第13回全国省エネミーティングin栃木を終えて
いつもご覧いただきありがとうございます。地元の材料を使って快適で省エネな家を造っている那須塩原の工務店、斎藤建設の斎藤です。
昨日、宇都宮大学を会場に、「第13回全国省エネミーティングin栃木」を開催しました。
日曜日という休日、そして大変暑い中、会場まで足を運んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。
今回のテーマは、「見て 触れて 感じて みんなで考えよう 栃木のカーボンニュートラル」でした。
カーボンニュートラル。
言葉として耳にする機会はずいぶん増えました。
でも、「大切なのは分かるけど、じゃあ自分は何をすればいいの?」そう感じている方も多いのではないでしょうか。実は僕自身も、その一人です。
●「何をすればいいのか分からない」
栃木県では、20年ほど前から環境教育への取り組みが続けられてきたと言われています。
一方、温暖化対策という視点で見ると、家庭部門のCO2排出量の削減は平成20年比で15%に留まっています。
そして今、県内でも豪雨災害や水不足、熱中症による搬送者の増加、農作物への被害など、気候の変化による影響が、僕たちの生活に直接現れるようになってきました。
こうした変化から暮らしを守っていくためには、
「誰かがやってくれる」だけではなく、「自分にも何かできることはないだろうか」と、一人ひとりが考えていく必要があるのだと思います。
でも、ここで困ります。じゃあ、何をすればいいんだろう?
省エネと言われても、具体的に何をしたらいいのか分からない。
そんな声を、僕自身もよく聞きます。
そして正直に言えば、僕だって同じです。
●本業では省エネに関わっているけれど
僕の本業は工務店です。日々の仕事では、高い省エネ性能を持つ住宅をつくったり、既存住宅の断熱改修をしたりしています。
仕事として考えれば、省エネやカーボンニュートラルとはかなり近いところにいます。
でも、仕事を離れて、「じゃあ、自分自身の生活では何ができているんだろう?」と考えると、途端に難しくなります。
環境のために何かしたほうがいい。それは分かる。
でも、何から始めたらいいんだろう。そんな僕が、小学校では子どもたちの前に立って環境について話をさせていただいています。
ちょっと偉そうですよね(笑)。
そんな活動の中で、今でも忘れられない言葉があります。
●「いいよね、大人は先に死んじゃうんだから」
数年前、ある小学校の5年生のクラスで環境の授業をしていたときのことです。
目の前にいた女の子から、こんなことを言われました。「いいよね、どうせ大人は先に死んじゃうんだから」
今でも鮮明に覚えています。
かなりショックでした。
話を聞いていくと、別の子からは、「学校で習ったことを家に帰ってママに話したら、『そんなこと言っても、実際にはできないよ』と言われた」
そんな話も聞きました。
子どもたちは、僕たち大人が思っている以上に、自分たちの未来について考えているのかもしれません。
そして、「できること」より「できない理由」を探してしまう大人を見て、失望しているのかもしれない。そんなことを考えるようになりました。
よく、「地球は先祖から受け継いだものではなく、未来の子どもたちから借りているもの」
と言われます。
あの女の子の言葉を聞いてから、この言葉の意味を以前より重く感じるようになりました。
●子どもたちや若者の声を聞いてみよう
だったら、子どもたちや若い人たちが考えていることを、まず大人が聞いてみよう。
そんなところから、今回の「省エネアイデアコンテスト」の企画が始まりました。
正直、最初は少し心配していました。「作品、ちゃんと集まるかな……」
ところが、そんな心配とは裏腹に、58作品もの応募がありました。
しかも今回のコンテストでは、何かものすごく新しい発明だけを求めたわけではありません。
これからやってみたいこと。そして、「すでに自分や家族でやっていること」にも目を向けました。
僕は、ここにも大きな意味があると思っています。
●家族で話してみることも、一つの行動
子どもが学校で環境について学ぶ。家に帰って、「こんなことをやってみたらどうかな?」と家族に話してみる。
そこで、「それなら、うちでもできるかもね」と家族みんなで考える。
そして、一つやってみる。ものすごく大きなことでなくていいと思うんです。
家族で「自分たちに何ができるだろう」と話してみる。
それ自体が、すでに一歩なのだと思います。「誰かがやってくれる」ではなく、「自分たちにもできることがあるかもしれない」
に変わっていく。
今回の省エネアイデアコンテストが、その小さなきっかけの一つになっていたらうれしいです。
●ステージに送り出しながら
昨日は、応募してくださった皆さんの中から、会場のステージで自分のアイデアを発表していただきました。
自分で考えた省エネのアイデアを文章や絵にまとめる。応募する。そして、大勢の人の前に立って発表する。
これって、結構勇気が必要だと思います。
僕は裏方として、発表する皆さんを一人ずつステージへ送り出していました。
そのたびに、「頑張って」
という気持ちで背中を見送っていました。
でも、終わってみると、たくさんのものをもらったのは僕のほうでした。
一人ひとりが自分で考え、自分の言葉で伝えてくれる姿に、本当にたくさんの感動をいただきました。
参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
●「見て、触れて、感じて」
今回の全国省エネミーティングでは、宇都宮大学の構内を広く使わせていただきました。
5号館では、高橋研究室や端末室を使わせていただき、断熱改修ワークショップを実施しました。
実際の断熱改修を、見る。触る。体験する。
そしてメイン会場では、協賛企業の皆さまやワークショップ出展者の皆さまに、さまざまなブースを展開していただきました。
省エネというと、「我慢しなければならない」「難しいことを勉強しなければならない」
そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。
でも、実際には製品やサービスの選び方だったり、暮らしの中のちょっとした工夫だったり。入口はいろいろあります。
だからこそ今回、「見て 触れて 感じて みんなで考えよう」というテーマにしました。
昨日の会場のどこかで、「これなら自分にもできるかも」と思える何かを一つでも見つけてもらえていたら、これほどうれしいことはありません。
●1円玉も、1万枚集まれば1万円
最後に、閉会式でもお話ししたことを、もう一度書いておきたいと思います。
1円玉も、1万枚集まれば1万円です。
一人ひとりにできることは、小さいかもしれません。
エアコンの使い方を少し工夫してみる。
省エネ性能を見て製品を選んでみる。
家の断熱について考えてみる。
家族で環境について話してみる。
一つひとつを見れば、「そんなことで変わるの?」と思うようなこともあるかもしれません。
でも、小さな行動も、たくさん集まれば大きな力になります。
僕自身も、「省エネって、何から始めたらいいんだろう?」と考えている一人です。
だからこそ、いきなり完璧を目指さなくてもいいと思っています。
できることを、一つ。それができたら、また一つ。
昨日の全国省エネミーティングが、そんな最初の一歩を見つける場所になっていたらうれしく思います。
そして、子どもたちに、「どうせ大人は先に死んじゃうんだから」ではなく、「大人も一緒に考えてくれている」
と思ってもらえる未来に、少しでも近づけたらと思います。
小さな行動の輪が少しずつ広がって、栃木のカーボンニュートラルにつながっていく。
僕もその輪の中の一人として、できることを一つずつ続けていきたいと思います。
最後になりましたが、今回の全国省エネミーティングを共催という形で多大なサポートをしてくださった宇都宮大学多文化公共圏センターをはじめ、宇都宮大学の皆さま、協賛企業の皆さま、ワークショップやブースを展開してくださった皆さま、そして高橋先生をはじめ審査に携わってくださった先生方に、改めて心より御礼申し上げます。
何より、暑い中、会場まで足を運んでくださった皆さま。本当にありがとうございました。
そして、このへっぽこ実行委員長を支えて下さった、第13回全国省エネミーティングin栃木実行委員会の皆様に感謝申し上げます。
このブログを書いた人
斎藤賢一
家族…………..妻、娘(小学生)、息子(小学生)、猫、金魚、サワガニ、熱帯魚、エビ
楽しいもの…キャンプ道具(ランタン、バーナー・ストーブ、クッカー、グリル)、キャンプ道具で調理すること
………………….自転車(クロスバイク)、子供とディズニーリゾートに行くこと、ヴァイオリン(一応演奏します)
特技……………初めて会った猫に「シャー」と言われない。お子さんと仲良くなれる。
仕事……………斎藤建設の社長・家づくり
資格……………環境省うちエコ診断士・暮らし省エネマイスター・エネルギーエージェント・気密測定技能士・木構造マイスター準1級・2級建築士・福祉住環境コーディネーター2級・第1種情報処理技術者
メディア…….NHKおはよう日本
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